オーケストラと僕2013/07/15 20:14


こんにちは!!!

さぁ最終回です。

昨日まではみっちりけっこう真面目なことをたくさん書いていたので
裏話やoffモード西本についてなど書いてみようかと。


オーケストラがコンサートで演奏を始める前までのことについて(’-’)♪

皆様に一曲目の第1音をお届けするまでにたくさんのドラマが舞台裏で
起こっています。


先ずは、、
演奏会当日の最後の総練習【通称G.P.:ゲーペー】を終えて、
メンバーは皆各々の時間へと一時解散します。

そのまま、譜面とにらめっこしながら最終調整する人、
ごはんを食べに行く人、衣装に着替える人、etc...

ちなみに僕は、最終調整で追い込み練習や、他のパートのメンバーと
音楽的な話をしていることが多いです。

その後はお腹がへってはコンサートはできぬので、腹ごしらえに
行くのですが、、、

ここで個人的ポイント①!!
肉はなるべく食べない、辛すぎるものは食べない!!

肉を食べると消化を頑張りすぎて本番中に熱いのと、
お腹に血が行って眠くなるということ。

辛いものも同じで熱くなってしまいます。
量的には腹7分目がいいところです(・ω・)

腹ごしらえを終えて、開演時間も近づいてくると、舞台裏にどんどんメンバーが
集まってきます。
そこで皆着替え始めるのですが、、
ここでポイント②!!

僕は、いつも開演15分前くらいまで着替えません。
たぶん一番着替えの遅いメンバーの一人です(;・ω・)

あまり早く着替えると本番モードへのスイッチが早すぎるし、
アガリ症の僕は緊張してしまいます。


さて、いよいよ舞台へ出ようではありませんか!!

舞台袖で待機するわけですが、僕は必ず出る直前に
ステージマネージャーに『行ってきます!!』と行って出掛けます。
コンサートスタートまでを支えてくれたスタッフに感謝と、
後のステージ上のことは任せてねの一言です。

お客様の拍手に迎えられ、嬉しさと緊張を抱えて自分の席につくわけです。


さて、無事全員舞台に登り準備ができるといよいよチューニングです!

この瞬間が、コンマス・ニシモトが一番神経を使い、
アンテナ感度100倍にし、緊張する時間です。

皆さんご存知『チューニング』は『ラ』の音を皆であわせます。
一見、単なる音合わせにも見えるのですが、
実はたくさんのドラマが既に始まっているんですよ!!

ここでオーケストラのポイント!!!
いつも同じ『ラ』を出しているわけではありません。

オーケストラやコンサートマスターによって違うかもしれませんが、
そのとき演奏する曲のことを考えながらのチューニングを
心がけています。

明るい曲を演奏するときに暗い『ラ』は必要ありませんし、
暗い曲なのに明るい『ラ』は必要ないのではないでしょうか。

また、例えばその日の天気や、ホールの湿度や気温のことも考えます。
今の季節は湿度が高いので、弦がのびやすいのでほんのちょっぴり
高めにします。

そして、この瞬間の大事なmyポイントをもうひとつ!!

それは、『ラ』の音をならしながら、なるべくオーケストラメンバー全員と
目をあわせるようにしています。

「これから演奏一緒に楽しみましょう」と、
「よろしくお願いします」の挨拶代わりです。

メンバーの表情からもたくさんの気持ちを感じることもあります。
もちろん人間ですので、たまに体調の優れない人や
調子が良くない人もいるのかもしれません
(これは僕視点で思うことです。)

そんな時には、笑顔と共に一緒に頑張れたらいいなぁのエールを送ります。

いよいよ準備が整うと、立礼をしてマエストロをステージに迎え入れます。

オーケストラメンバーの準備、お客様の様子が落ち着いたのを確認して、
コンマス・ニシモトはマエストロに頷きます。


さぁいよいよコンサート開演です!!!


ぜひ、音楽が始まるまでの時間にもたまに意識を傾けていただいたり、
舞台裏のドラマを想像していただけたりすると、
オーケストラの違う面が楽しめるかもしれません。

それではenjoy the concert and see you soon♪

Ciao!!


西本幸弘
(ヴァイオリン/仙台フィルハーモニー管弦楽団・コンサートマスター)

※写真は先日ロシアのサンクトペテルブルクのホールでの本番前写真です。