お久しぶりです!2013/09/14 09:43


仙台の皆さん、お久しぶりです!
ギターの福田進一です。

今年も「せんくら」の季節がやってきました。
思えば、第1回せんくら、その最初の演奏会が私のソロ・リサイタル
でした。

あれから8年、震災の年だけは参加出来ませんでしたが、
毎年このフェスティバルに常連のように出演させて頂けること、
今や私にとって大きな楽しみと喜びとなっています。

今年はどんなプログラムを弾こうか、どんな音楽家と共演しようか、
昨年のあの熱心なお客様にまたお会いできるだろうか…
いつも「せんくら」が始まる前に様々な期待感が胸をよぎります。

さて、今年は3種類の異なるギターを使い分けての参加となります。

まず、
バッハ・リサイタル(10月5日(土) 16:15~17:15 
日立システムズホール仙台(青年文化センター)/コンサートホール)
では、1947年に製作されたドイツの名器「へルマン・ハウザー」を
使用し、オール・バッハのプログラムを聴いて頂きます。

えっ?ギターなのにドイツ製が良いの?と思われるでしょうね…
そうなんです。
現在、世界的に最も評価も高く、値段も高いギターはドイツの
「ハウザー1世」なんです。
ほんの数年前にアメリカのオークションで落札された1951年のハウザー1世は、
軽く一戸建てが買えるほどの史上最高額がつきました。
この名器ハウザーの誕生にはギターの巨匠アンドレス・セゴビアの
助言が関わっています。

1925年頃にヨーロッパ・ツアーを行ったセゴビアは、当時まだ32歳でしたが、
すでにギターの巨匠としての地位を確立しつつありました。
ミュンヘンを訪れたセゴビアは、これまでウィーン派の伝統的なギターを
作っていたハウザーにスペインの名器であり全てのギターの元祖とも
言えるアントニオ・デ・トーレスの存在やその流れを汲む自分の楽器
マヌエル・ラミレスなどの「音」を伝え、研究するよう示唆したのです。

それからわずか10年後には、ハウザーの製作技術は、セゴビアが
レコーディングでのメインの楽器として使用するレベルにまで
成長しました。

特に、1936年に出来た逸品は
「もう頼むからこれ以上のギターを作らないでくれ」と、
セゴビアに言わせしめ、彼はその楽器がライバルの手に渡るのを
恐れたのだとも言い伝えられています。

今回のリサイタルで使用するのはさらに10数年後の1947年作のハウザー、
私にとっても、これ以上の音のギターを弾いたことはありません。
ライフ・ワークにしているバッハ作品のなかから、チェロ組曲、
ヴァイオリン・パルティータ、そして名曲シャコンヌを中心にした
プログラムをお届けします。


福田進一(ギター)

コメント

_ さとちゃん ― 2013/09/17 23:28

福田さん!
毎年楽しみに出来る限り公演に伺っています。演奏は勿論ですが
福田さんの知性に裏打ちされて、でも教えてあげる調にならない絶妙なトーク、絶対に他の人には真似出来ない素晴らしさ。今年も楽しみにしています。牛タンたべて頑張って下さい!

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