楽譜に託されたドラマと想い2013/07/14 11:13


こんにちは!!!

さぁ今日は二日目です。
昨日はカンタービレについて書きましたが、今日はそのテーマに沿った
リサイタルプログラムについて書きたいと思います。


まずは、まさに『カンタービレ』という曲です。

作曲者は有名なヴァイオリニスト、パガニーニ。
19世紀前半に大活躍したイタリア人で、多岐にわたる逸話や伝説が
残っている人です。

「悪魔に魂を売って天才的な技術を手に入れた(当時は、超人は
悪魔との結び付きを疑われた)」、
「ヴァイオリンに張ってある4本の弦のうち3本に切り込みを入れて
舞台に登場し、切り込みを入れた3本を弾き切り、残りの1本だけで
超絶技巧の曲を弾ききった(本人の意図としたパフォーマンスのようです)」
などなど。

なかなかミステリアスな人ですね。

そんな彼も、本当に甘美で、思わず胸にキュンと来るメロディー
ばかりを創っています。
甘いメロディーをつくるシューベルトが惚れた音楽です。

彼は歌やオペラが大好きで、ロッシーニのオペラを題材にした曲が
たくさん現代に残っています。
そして意外に知られていないのがパガニーニはギターもプロ級に上手くて、
数年間ヴァイオリンを弾かずギターに勤(いそ)しんでいたそうです。

僕の予想では、
きっとパガニーニはロマンチストで、ギターを演奏しながら
甘いメロディーを創り、口ずさんでいたのだろうなと。。。

そんな時に出来たのが、この『カンタービレ』であってほしいと思います。

パガニーニの曲と言えば、技巧的な部分が前面に出てきて
お客様を驚かすことはよくありますが、美しいメロディーで感動させることは
なかなかありません。

『カンタービレ』はもちろん技巧的に難しい曲ですが、
今回は美しいメロディーを意識して皆様にお届けできるといいなぁ(^^)


次にもう一曲分くらいかきまーーす\(^^)

『椿姫幻想曲』

イタリア人の作曲家ヴェルディが作ったオペラ『椿姫』を元に、
ヴァイオリンらしく華やかにアレンジ作曲された曲です。
作曲者はアラール。
フランス人で、『チゴイネルワイゼン』などを作曲して有名な
サラサーテのヴァイオリンの先生です。

さて、オペラ『椿姫』のあらすじを知っていただけると
この曲がより楽しくなるので以下に簡単に。。(^^)b


夜会で出会った高級娼婦のヴィオレッタと青年アルフレード。
憧れのヴィオレッタに、こんな享楽的な生活をやめるように諭(さと)す。
ヴィオレッタは、その真剣な愛に、生まれて初めて恋のときめきを覚える。

二人は、パリ郊外に一緒に暮らし始めるが、同棲することを快く思わない
アルフレードの父ジェルモンは、息子や家名のために身を引いてくれるよう、
ヴィオレッタに懇願する。
ヴィオレッタは、苦悩しつつもアルフレードの将来を思い、身を引く。
彼女に裏切られたと思い外国で過ごしていたアルフレードは、
ヴィオレッタが胸の病に倒れたことを知り、急ぎ帰国する。
しかし、時はすでに遅く、ヴィオレッタは、アルフレードの幸せを願いながら
息絶えてしまう。


このような感じです!!

このオペラの中から有名な『乾杯の歌』をはじめとする美しく華やかな
4曲をお届けします。

オペラを題材にした幻想曲は他にもたくさんありますが、
一番有名なのは、なんといっても『カルメン幻想曲』
(今年11月の仙台フィル定期演奏会でソリストとして演奏予定です♪)。

もともと、このような曲が作られたのは100~200年前、
当時はなかなか容易にオペラを観られる歌劇場が少なく、
オペラの楽しみをコンサートでも楽しめるように、ヴァイオリン風にアレンジ
したものと言われています。

当日は、ヴァイオリンの音色を魅力的な歌声のように、
台詞や歌詞はつきませんが、少しでもオペラの魅力をお届けしたいです!!!

長々と楽曲について書いてしまいましたが、
他のたくさんの名曲と共に演奏いたします。
コンサートの楽しみ方のひとつとして心の引き出しに留めていただけると幸いです。

さて、明日はオーケストラやニシモトのプチ裏事情など書こうかな(  ̄▽ ̄)


写真は椿姫が初演されたイタリアはヴェネチアのフェニーチェ歌劇場。
(昨年の夏にニシモトが実際に行ってとってきた写真です!)

Ciao♪


西本幸弘(ヴァイオリン)